飲食が好きという理由で、飲食業界に就職しようとしていませんか?
私は、大学の工学部に通いながら、新卒で飲食業界に就職しました。
工学部では、特にやりたいことが見つからず、料理がすきという理由だけで決めました。
ぶっちゃけ、とても後悔しています。自分と同じ過ちを犯してほしくないので、新卒で飲食に就職するのはやめた方が良い理由を3つお伝えします。
①給料が安い
②労働時間が長い(いわゆるブラック企業であることがほとんど)
③将来的に独立しても、3年以内に潰れる確率70%
この3点を見て、心が揺らいだ人は、本当に飲食への就職はやめた方が良いです。
①給料が安い
私が、新卒で就職した個人店のイタリアンレストランは、契約社員で月収25万。手取りで、20万を切っていました。
2021年大卒の平均月収は23万です。一見、給料が良いように感じますが、②の労働時間が長いと合わせると、決して給料はよくありません。
さらに、数年後の昇給やボーナスなどがほとんど期待できません。
では、根本的になぜ給料が安いのか?それは、利益率の低い業種だからです。飲食業界の営業利益率は平均8.6%と言われています。
仮に月商1000万円のお店の営業利益は、86万円です。
2020-2021年の上位3種の利益率は1位消費者金融18.3%、2位ネット証券17.5%、3位携帯電話13%です。
例えば、3位の携帯電話会社が月商1000万円の場合、営業利益は130万円です。
飲食業界との営業利益の差額は44万円です。この金額だけで、もう2人は人を雇えるだけの差がでます。
さらに、飲食店の月商1000万円はかなり優秀な方です。逆にいうと、それ以上の月商を出せる飲食店は少ないです。飲食業界の業界規模は4.9兆円。
一方、携帯電話業界の業界規模は12,7兆円。飲食業界の2.5倍です。営業利益率は飲食業界の1.5倍。
単純計算すると2.5×1.5=3.75倍。つまり、携帯電話業界の方が、飲食の業界よりも3.75倍生み出すお金の量が多いという事です。必然的に、給与が高いのは断然、携帯電話の業界であることが理解できると思います。
参考動画を貼っておきます。年商130億円の会社を経営していた「青汁王子」こと三崎優太さんが端的に飲食店経営の難しさを指摘しています。参考にしてください。
②労働時間が長い
1日12時間以上は当たり前の業界です。残業代を払う会社であれば、まだ良いですが、個人店などでは払われないことがほとんどです。どんなに働いても、固定の給料です。
1日12時間以上の労働とは、イメージ的には、朝10時に出勤し、22時に退勤。通勤時間がある人は+1時間。睡眠時間を6時間とすると、1日残り5時間。12時間の労働は心身ともに疲労強度はかなり高いです。ホワイト企業の労働時間は8時間。同じ条件で、1日残り9時間。しかも、心身の疲労強度は全然軽いはずです。
自由な時間の差は週5日勤務で、1年1042時間、2年で2082時間、・・・数年継続していくわけです。想像してください。人生で一番貴重な時間の差が恐ろしく広がっていくことを。
③将来的に独立しても、3年以内に潰れる確率70%
飲食で働きたい人は、将来的に独立したい人も多いはずです。
自分のやりたいようにやるには、独立することが1番だと思います。
しかし、数字は嘘をつきません。冷静に数字を見なければなりません。
この時点で、冷静に数字を見られない人は、飲食店を経営する能力はないといえます。
3年以内に廃業する確率は70%です。
「ほとんどが失敗する」という言葉に置き換えても差し支えありません。
これが現実です。①②の条件を突破した先にもこの現実が待っているのです。
もう一度、しっかりと考え直す必要があると思います。
※まとめ
あなたはこのブログの内容を調べようとしている時点で、飲食業界への就職をかなり迷われている状況だと思います。
さらには、就職そのものに迷われていると思います。
私は今になって、冷静に考えることができます。私は、工学部に通いながら興味が持てず、好きな飲食に就職しようと思い就職しました。
しかし、本当のところは、経済的に自由に生きることが自分の夢だったと気づきました。簡単にいうと、給料がいい、または、自分が働いた分稼げることが自分の本当の望みであったということです。
だから、就職先はその条件に見合えば、どこでも良かったというのが本音です。飲食業界は真逆の世界であったと思います。
このブログを読んで、就職に迷っている方は今一度、自分の本当の夢や目標は何なのかを真剣に考えることが一番重要であるとアドバイスしたいと思います。
これは自分には無理だからというように、消去法で考えるのではなく、自分は本音でこんな生き方をしたい。言語化してください。目標が明確化されます。
明確化されれば、あとは手段を選ぶだけです。
例えば、給料が良く、労働時間もそれなりにということであれば、飲食業界ではなくネット証券会社に就職するといった、合理的な判断をするという事です。
どうか、自分と本気で向き合ってみてください。新卒での就職は人生の分かれ道です。
最後に、飲食業界への就職を否定してきましたが、飲食業は人に喜んでもらえる素晴らしい仕事であることは間違いありません。食の喜びというのは、何にも代えがたい価値があります。
もちろん、飲食業界で大成功されている立派な方もたくさんいらっしゃり、自分が勤めたレストランのオーナーにも素晴らしい方々はいました。本当に自分には飲食の道しかないと思っている方はどうかそのまま突き進んでください。そんな人の料理やサービスは人を幸せにできる非常に価値のあるものだと思っています。
きちんと自分と向き合い、合理的な判断で就職先を選ぶことをお勧めします。おすすめのサイトを貼っておきます。